江戸時代、下関の生んだ旅する女流文人「
田上菊舎
(
たがみきくしゃ
)
」を顕彰する
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九月の自画賛
「きせわたの」句 菊図
きせわたの
笠着て
遊ぶ
節句かな
重陽七十一齢 菊舎
きせわたー菊の花に綿をおおいかぶせたもの。
重陽―陰暦九月九日、菊の節句、菊花宴。
奈良時代より宮中で観菊の宴が催された。
前夜、菊の花に綿をおおって、その露や
香を移しとり、翌朝、その綿で身体を拭う
慣習があったという。
京に逗留中の菊舎は、公卿邸の観菊の宴に度々招かれていた。
一八二三年、亡き父母の住んでいた庭の菊を見て、掲句と
「そだてられし千世の花咲節句かな」
を詠む。
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