平成二十年度 菊舎顕彰俳句大会入賞作品
10月11日 於) 田耕農林漁家婦人活動促進センター
 
兼題「菊」及び雑詠
県知事杯賞
菊植えて菊舎婚家に近く棲む 豊北町 村田京子
爽かな顔してみんな菊舎ずき 長門市 岸崎和夫
箆痕の母の裁ち台吊忍 下関市 岩田十代子
五客 壇の浦昏れあじさいは終の色 松戸市 藤田守啓
五客 旅の途や数珠を選ぶに菊明かり 宇部市 中塚紀代子
五客 野菊咲く八十路の母の足速し 豊北町 和田幸子
五客 破蓮や寺に養子の話くる 山口市 増元 武
五客 雨粒のときたま太き野菊かな 豊北町 矢田貞夫
佳作 閼伽桶の水のこぼるや菊日和 山口市 塩田峯子
佳作 蕎麦の花里傾けて白い風 豊浦町 江尻伍風
佳作 野紺菊小町の墓があるといふ 豊北町 山本洗脂
佳作 子の菊に小さな蕾参観日 山口市 伊川哲玄
佳作 夫よりも永らうための菊の酒 豊北町 浜本直子
一字庵賞
大人の部 耳遠き我れに句の道菊膾 山口市 熊谷キミコ
学生の部 カマキリがわたしのべんきょうみはってる 神田小二年 林 莉来
教育長賞
小学生の部 蝉しぐれ原爆ドームで署名する 川中小六年 素川佳子
中学生の部 ガタガタと貧乏揺すり新学期 豊北中二年 西 泰斗
高校生の部 秋日和ミットの音が鳴り響く 豊北高二年 安田佳弘
NHK賞
大人の部 芋の露赤間硯の海満たす 下関市 角田節子
学生の部 青い目の友だちできた夏休み 小月小五年 山本彩未
学生の部 教科書に染みをつくれり早生みかん 豊北中二年 鵜足優滋
山口朝日放送賞
大人の部 不揃の梨に笑顔を添えて売る 豊北町 中山芳江
学生の部 五じにおきじいちゃんととるかぶとむし 室津小一年 なかのとしみ
学生の部 もくもくと入道雲が陣地取り 田耕小六年 西 隼人
選者特選賞
中村石秋選 耳遠き我れに句の道菊膾 山口市 熊谷キミコ
中村石秋選 箆痕の母の裁ち台吊忍 下関市 岩田十代子
河村正浩選 農の顔置き来て句座へ菊日和 豊北町 恒冨靖子
河村正浩選 菊舎忌や菊舎の酒を土産とす 豊北町 村田京子
山戸則江選 夫よりも永らうための菊の酒 豊北町 浜本直子
山戸則江選 不揃の梨に笑顔を添えて売る 豊北町 中山芳江
岡 昌子選 耳遠き我れに句の道菊膾 山口市 熊谷キミコ
岡 昌子選 爽かな顔してみんな菊舎ずき 長門市 岸崎和夫
下関市長賞  (当日席題 「芋」)
捨てきれぬ母の馴れ着や芋を掘る 下関市 岩田十代子
文盲の祖母の手やさし八頭 豊北町 恒冨靖子
穏やかに母の介護や芋の秋 豊北町 下田勝代
五客 芋煮会生きて還りし者ぱかり 豊田町 木本光世
五客 芋洗ふ妻に病の翳りなし 豊北町 古川哲郎
五客 芋水車峡の日輪ころがして 下関市 角田節子
五客 芋の秋空も田んぼもがらんどう 下関市 池田尚文
五客 母のことまたその母のこと芋洗う 山口市 名畑愛子
佳作 芋飯に生かされて今八十路かな 豊浦町 北本一夢
佳作 菊舎尼の跡をまさぐる芋の風 豊北町 静間まさ恵
佳作 傷芋や誰にもあるさ運不運 豊浦町 古沢瑞穂
佳作 里芋のほろりと煮えて菊舎の忌 周南市 河村正浩
佳作 石がみな仏に見ゆる芋の露 豊北町 平賀千代子
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