菊舎に続け!
令和の子ども俳句

   −小学生の部−(下関市)

せみのこえぼくをよんでる木のてっぺん小一年
なつやすみかわであそんでかにになる小一年ゆき
せみのこええきのおそうじきもちいい小一年けいたろう
 
たいふうがちかづく雨の一けんや小二年こうせい
夏の空きょうりゆうじだいつづくみち小二年大和
 
金曜は習字に行く日夏の海小三年
カナブンもひっくりかえるまっぴるま小三年光誠
スイカわりもったいなくてたたけない小三年みお
夏の川あきよしどうへもう一ど小三年結心
夏の川取ってもらったカニを持つ小三年陽樹
夏休み高知の川でエビとった小三年湊月
太陽がよくのむ夏の水たまり小三年すずの
おいまてよかめはにげるが夏休み小三年琉叶
こうえんでかべあて百回夏の空小三年
 
スライダー暑さを飛ばすスピードだ小四年
 
炎天下パスをつないでいくゴール小五年叶羽
プールの日一番乗りで大ジャンプ小五年
写真館成長きらり七五三小五年恵菜
向日葵の明るい黄色日に向かう小五年莉子
ハエを追う母とネコの目一体化小五年紗也
初盆におこづかいからおまんじゅう小五年明玲
母の日に夜までかくすプレゼント小五年響至
 
祖母からのやさしい便り夏野菜小六年奏太
夏水仙厳しい母の誕生日小六年さとり
昼下がりもみじの下でお茶をする小六年智明
打ち水で少しは地球冷えたかな小六年茉優
川の道深さで変わる水の音小六年結衣
両手にはどんぐりあふれる子どもかな小六年結恵


 
 

   −中学生の部−(下関市)

流れ星願う前から消えてゆく中一年デラセルナ
 
目覚めればぬるいコーラと蝉の声中二年梨乃
 
「塗りました」四年ぶりです日焼け止め中三年ひより
天の川流れの果てを間うこども中三年桃子
雪解け水ロに含めば土の味中三年春香
葛餅に写る景色や波光る中三年愛可
溶けるまで待たされている氷菓かな中三年梨乃
夏祭り少し違って見える街中三年えるも
油絵のキャンバスにひび草の花中三年さくら
宿題の終わらぬ苦味焼き秋刀魚中三年颯輝
泥多きシューズに少し残る夏中三年龍之介
風鈴を子守歌とし眠る夜中三年愛梨
満月にてらされ一人帰る道中三年莉來
夕立の後に差し込む日の光中三年蓮司
特別な一人になれず秋の雲中三年愛花
梅雨空をぬうて瞬くアルタイル中三年



   −高校生の部−(下関市)

涼風や車両に響く里言葉高二年麻衣子
校長の白シャツ光る浜辺かな高二年
彼岸花頭に浮かぶ祖父の顔高二年みき
 
水瓶や揺れて広がる夏の空高三年千春
翡翠や蒼き鏡に飛び込みて高三年瑠斗


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