よそ見 わき見 気まま旅 |
第7回 |
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柳ケ瀬の関から福井に入る県境に、柳ケ瀬トンネルがあります。(写真右)トンネルの形からも想像できるように、以前は鉄道トンネルでした。 昭和三十九年に鉄道が廃止された後、バス道路として使われていましたが、昭和五十五年から一般車両が通れるようになりました。 だけどこのトンネル、長さが一三五〇メートル余り有り、おまけに車一台分の幅しか無いため片側通行です。従って信号待ちがおよそ十分、疲れます。 トンネルを出た辺りが疋田。上代の三関、鈴鹿、不破、そしてもう一つ、愛発関が有っただろうと言われる場所です。今迄のところ、場所の特定には至っていないようです。疋田町にある公民館に、「あらち」の名前が見えます。 疋田の町の中央には、運河が通っています。北前船で敦賀に陸揚げされた物資は、この運河を使って都に運ばれました。 菊舎が歩いた頃はもっと川幅が広く、船曳唄が辺りにこだましていたはずです。今は水の流れる音だけが聞こえる、静かな町です。 流れに逆らって船を曳く大勢の人夫が活躍した場面を想像すると、ロシヤ民謡の「ボルガの舟歌」が連想されます。 |
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(中村 佑) 2014年3月1日 |