よそ見 わき見 気まま旅

第50回  中山道(妙義山)
ただならぬ山

 追分を出た菊舎は中山道を外れると、ネギで有名な下仁田をかすめて妙義山に向かいました。そして詠んだ句が「たゞならぬ山つゝ立て秋の雲
道が登りにかかり大きくカーブして目の前に突然現れたのは、まさしくただならぬ山でした。気ままな一人旅を続けてきた私も余りの威容に思わず、何じゃこりゃ!と叫んでいました。
 奇形、怪形、妖形、珍形、畏形。どう表現をすれば良いのか困ってしまう山容ですが、矢張り菊舎の7文字、ただならぬ山、が最も端的に妙義山の姿を表しているようです。
 妙義神社を参詣した菊舎は安中で中山道に戻り、くらがの、熊谷、桶川、蕨を経て江戸に入ります。
道はかつての中山道ではありますが、現在は近代化された町並みと激しい車の行き来に気ままな旅人はうろたえるばかり。全てに思い通りにならず、洪水のような車の流れに押し流されて日本橋に着いてしまいました。
 
このコーナーも50回を数えるのを機に、一旦ここらで終着とさせていただきたいと思います。永のお付き合い心より感謝申し上げます。再見!
 (中村 佑)    2018年3月1日



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