よそ見 わき見 気まま旅 |
第46回 |
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和田峠(交互通行のトンネル) | |
峠と呼ぶには標高が高過ぎるように思います。1,531mという高さは、居住地周辺に800mを越える山を知らない気ままな旅人にとっては、峠の概念をはるかに越えて立派な高山なのです。 デジタル写真に残る撮影記録は4月1日11:53でした。我が住む町では桜が盛りを迎えようとする頃です。それなのに峠付近はまだこの雪。中山道最大の難所と言われるのも無理はありません。真冬、恐らく背丈位は積もるであろう雪の中、下諏訪宿と和田宿の間22kmの道のりを、昔の旅人は隣の宿場までかんじきと杖を頼りに歩き通したのです。 |
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和田峠と言えばセットで語られるのが黒曜石です。古代の人々は和田峠の黒曜石をヤジリに加工して猟をしていました。どうやって彼らはこんな厳しい場所に黒曜石がある事を知ったのでしょう。不思議です。 昔の人の鋭敏な感覚と忍耐力は、現代人がとっく何処かに置き忘れてしまった能力なのかも知れません。 |
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(中村 佑) 2017年8月15日 |