よそ見 わき見 気まま旅

第40回  中山道 鳥居本宿
 観光案内で見飽きたアングルの写真になってしまいました。少しはオリジナリティが感じられる写真をと思い、通りを往復してみましたが、結局江戸時代から続く生薬に引かれるようにここへ戻り、このアングルになってしまいました。
 万治元年に製造を始めた生薬の胃薬は大層効き目がよく、旅の携行薬として人々はこぞって赤玉を買い求めたそうです。その赤玉は進化しつつ、1658年から現在もまだ製造が続いているということですから、積み重ねてきた年月の重さに圧倒されます。
 赤玉神教丸の始まりを有川薬局の案内に、多賀神社の神教によって調製した、とあります。多賀神社のお告げがあったのでしょうか。ここでいう多賀神社とは近江の多賀大社のことです。
お伊勢七度熊野へ三度、お多賀さんには月詣り」と言い慣わして、毎月多賀大社へお参りする人達で街道は賑わったのです。特に近江の人達にとってお伊勢さんより馴染み深い多賀大社を「お伊勢参らばお多賀へ参れ、お伊勢お多賀の子でござる」と言いました。
即ち、多賀大社の御神体はイザナギ、イザナミ。伊勢神宮に祀られているのはイザナギ、イザナミの子、天照大神だからなのです。
 (中村 佑)    2016年12月24日



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