よそ見 わき見 気まま旅

第34回  日光―2
 東照宮―鋳抜門(いぬきもん)
  東照宮には目をみはるものが多過ぎて、短時間の滞在ではとても丁寧に総てを鑑賞することは出来ません。陽明門や唐門、拝殿などの建造物に彫り込まれた人物、動物、植物、魚類、昆虫、などの種類を識別するだけでも大変です。それらは鮮やかな色彩で彩られ、金箔で覆われた桁や梁の間を隙間なく埋め、豪華にして華麗、建造物全体が絢爛たる輝きを放っています。 一方、徳川家康が鎮座する宝塔へ続く鋳抜門と呼ばれる写真の門、派手さはそれほどではありませんが、張りぼてではない青銅を鋳抜いて造られたものだと教えられると、矢張り尽された贅に驚かされます。
  東照宮の名物は豪奢な建造物だけではありません。石鳥居に到る参道脇で、うぐいす笛を売るおじいさん(撮影了解済)が居ます。肩から下げた木箱に手作りの笛を並べ、持参の椅子に腰を下ろして日がな一日笛を鳴らしています。前に下げた紙には「お買い上げを昭和30年から57年お待ちしていました」とありました。
 (中村 佑)    2016年6月2日



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