よそ見 わき見 気まま旅

第16回  日本海―2
 

 日本海側に開けた町糸魚川は、ヒスイの産地としてよく知られています。だけどその一方で、昔は内陸部に塩を運ぶ道の拠点でもありました。

 揚浜式と呼ばれる、海水を天日で少しずつ濃度を上げ、結晶を造り出す方法で塩を作っていました。

コモに入れられた50kgのその塩を、ボッカと呼ばれる人たちが、120kmの山道を越えて信州松本まで運んでいたのです。帰りには山の幸を背中一杯に背負って帰ってきました。その道が今でも残っています。塩の道です。

勿論現在そのような塩田は存在しませんが、糸魚川より北の村上市には、かつての製塩を懐かしんでか、いくつもの工房が美味しい塩を作っています。

 上の写真は海水を煮詰めているところ。左の写真は煮詰めた藻塩の水分を抜いている様子です。工房の主は、仕上げに水分を抜くのはワラスボが一番だと言っていました。

 (中村 佑)    2014年12月2日



ホームへ