よそ見 わき見 気まま旅

第13回  倶利伽羅峠
  松任から北陸道を北にのぼってゆくと、道はやがて越中との境、倶利伽羅峠にさしかかります。「あかあかと日はつれなくも秋の風」と詠んで芭蕉がこの峠を越えたのは、菊舎より90年以上前のことでした。
 高さこそ300mに満たない峠ですが、起伏が激しい所為で谷が随分深く感じられます。木曾義仲の平家討伐作戦が功を奏したのは、その深い谷のお蔭でした。
 牛の角に松明をくくり付け、10万の平家軍めがけて突入させたところ、不意を突かれた平家の兵士達は次々に谷底へ転落して行ったと云う有名な話は、峠の説明板にも書かれています。
 子供の頃にドキドキしながら読んだ作戦は、今となれば少々眉唾ものに思われますが、義仲が大勝したことは間違いありません。
 作戦会議を開いた石のテーブルが残っています。錦秋には早すぎましたが、色づき始めた木々が気ままな旅人を歓迎してくれました。
 (中村 佑)    2014年9月1日



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