菊舎をご縁に (前会長 磯部多恵子)


「手 紙」

 5月7日の総会に於いて会長を退任し、新会長の古川裕三氏へバトンを渡しました。 会員の皆様には在任中お力添えいただき心よりお礼申し上げます。 私事で恐縮ですが昨年九月息子の嫁が三人の子供達を残し病で他界しました。
 かわいい盛りの4才9才13才の子供達を残しどんなに無念だったろうと胸が塞がる思いでした。 そんな時菊舎顕彰会の会員さんからお手紙をいただきました。 どなたからか私の事情を聞かれたようです。 その手紙には「精進なさいませ。精進した先に見える景色が亡くなった人からいただけるプレゼントです。」 と書かれていました。この方は若い頃に子供さんを亡くされたそうで、この言葉は実感でしょう。 きっと今この方は精進した先に見える景色を眺めていらっしゃるのでしょう。
 今私は孫達の食事を作り寂しい時には一緒に泣く毎日ですが、そんな時間を積み重ね、いつかこの方のようにプレゼントが貰える人間になりたいと思います。 江戸時代に生まれた菊舎さんをご縁にしてたくさんの方々と出会うことができました。 お目にかかったことのない会員さんも私を四年間支えてくださり皆様に心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。
令和5年5月9日



「企画展を終えて」

 水田に映る青空がすがすがしいこのごろ、皆様にはいかがおすごしでしょうか。 先月の13日より22日まで、長府庭園三の蔵で開催いたしました企画展 「蔵の中で見つけた菊舎の世界」には、多くの方々にご覧いただき大変ありがたく思っております。 五月のゴールデンウイークと紫陽花の咲き始める頃との丁度端境期に開催した企画展でしたが、 374名の方にご来場いただきました。 企画展中の芳名帳のご意見を皆様にご紹介致します。
このようにたくさんの方から温かいお言葉をいただきました。 今回たくさんの方々に支えられ企画展を無事に終えることができましたことを心よりお礼申し上げます。
令和4年6月4日



「菊舎顕彰会定時総会」

新緑の候、会員の皆様にはいかがお過ごしでしょうか。
この度5月4日に田耕促進センターに於いて、菊舎顕彰会定時総会を開催いたしました。 コロナ禍で二年間は書面決議でしたが、今年度はご来賓の出席および総会後の催しは取りやめという形で開催いたしました。
 総会では、令和3年度の事業報告、収支決算、監査報告、令和4年度の事業計画、収支予算の順で審議し、 すべて承認されましたことをご報告いたします。 今年度は役員の改選期ではありませんので、従来通りの役員で活動してまいります。
今年度もどうぞご協力くださいますようお願い申し上げます。

菊舎顕彰会役員名簿
役職 氏名 役職 氏名
会 長 磯部 多恵子 理 事  柴田 俊彦 
副会長 水野 純次 理 事 亀ア 俊明
副会長 和田 幸子 理 事 内田 恒生
会 計 林 若代 理 事 山本 重昭
常任理事 中村 佑 理 事 西嶋 佳子
常任理事 山戸 ミヱ子 理 事 山ア 和富
常任理事 眞鍋 聡 理 事 古川 裕三
常任理事 吉村 ひとみ 監 事 林 岩雄
常任理事 磯部 清昭 監 事 下田 勝代
顧 問 岡 昌子

令和4年5月6日



「田上菊舎展」

 太翔館で1月15日から開催されておりました菊舎展は2月27日に閉会となりました。 コロナ禍のため人数制限のある中での開催ではありましたが、皆様のご協力により、盛況のうちに無事終えることが出来ました。
 今回の菊舎展は「ふるさと」がテーマでした。 旅に明け暮れた菊舎の心を支え続けたのは、故郷の自然と人々でした。 菊舎は晩年に「故郷恋しむかしわすれぬ梅見月」という句を詠みました。 この菊舎の愛した故郷へ多くの方々に来ていただきましたことを大変嬉しく思います。
 今回の菊舎展が無事開催出来ましたのも、一字庵十一世・岡さんの菊舎への情熱によるものです。 岡さんからの年賀状に、この行事が済めばそれからは「ゆっくり、にっこり」過ごしたいと思っていますとありました。 三月はゆっくり過ごす岡さんを想像し、私もにっこり過ごしたいと思います。
令和4年2月28日



「俳句授業」

 11月15・16日に豊北小学校の俳句授業に参加しました。
岡さんが講師となり「かんたんに俳句ができるコツ!」というタイトルで、5・6年生に授業を行いました。

授業の内容を紹介します。
まず俳句を作る場合、十二音の文を作ります。その後すてきな季語を見つけて取り合わせます。 たとえば皆さんなら(  )の中にどんな季語を取り合せますか。
  にじゅうとび八回できた(  )
6年生の生徒さんが手を挙げて「春の風」と答えていました。
  にじゅうとび八回できた春の風
嬉しさを表現した佳い句ができました。

 このような授業を長年に渡り岡さんは続けてこられました。 勉強やスポーツが苦手でも、俳句を好きになったら毎日が楽しくなるかもしれない。 悲しいことも苦しいことも俳句のタネにして、人生を豊かに出来るかもしれない。

俳句好きな岡さんのこのような想いは、しっかりとこの地の文化の礎になっていると感じた二日間でした。
令和3年11月19日



「投句箱」

 会員の皆様、いかがお過ごしでしょうか。
今年度もコロナ禍で思うような活動ができませんでしたが、ただ今菊舎のことをわかりやすくまとめた『菊舎のおはなし』を製作中です。 製本出来次第、皆様のお手元にお届けいたします。
 さて、今日は長く続いている顕彰会の活動のひとつをご紹介いたします。 それは道の駅 北浦街道 豊北に設置している投句箱です。 買い物や観光にいらした方々が、投句箱横に置いてある投句用紙に思い思いの句を書いて投句されます。
年に数回集計し、優秀句には賞品をお届けしております。 今年度秋の優秀句は、下関市・藤田かおり様の「上の歯も見てと生え初む竹の春」に決まりました。 竹は秋になると青々と枝葉を茂らせることから、秋の竹を「竹の春」、春の竹を逆に「竹の秋」と呼びます。 「竹の春」という季語で健やかに成長しているお子様の姿が目に見えるようで、とても佳い句だと思います。
 皆様も道の駅 北浦街道 豊北にお越しの際はぜひご投句ください。 愛あふれる句には、特別賞もご用意いたしております。皆様の一句をお待ちしております。

令和3年11月3日  菊舎顕彰会会長 磯部 多恵子



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